しかも、来週に修学旅行を控えている下の息子の学年です。
道理でみんなマスクしてるわけだ。
ま、気休めですが。
職場でマスク着用が義務化される日も近いかな。
修学旅行中止のカウントダウンしながら
昨日は届いたばかりの「大奥」第5巻を読んでました。
作者は長年BL系のマンガ(内容的には硬派なものが多いかも)
描いてた人ですが、
最近はジャンルにかかわらず、いろんな設定の作品を発表しています。
どの作品も登場人物の「心の襞」の描写がとても共感できる作品です。
その中で本作は言わばSFです。
ある理由から男性人口が極端に減少してしまった時代背景を持ち、
当然ですが将軍家、大名家ともに跡目相続の多くが
女性によって担われていく「江戸時代」を描いています。
第1巻でいきなり8代将軍吉宗(当然女性)の治世が語られるわけですが、
吉宗が登場するだけあって描写も闊達で読んでいて「楽しい」感じがします。
しかし、2巻から4巻の冒頭にかけて描かれる家光の治世の
「ひりひり」とした読み応えは、徳川将軍家がきっちり成立していく背景と
家光と「お万の方」の悲恋(陳腐な言い方ですが)と相俟って、
「疲れ」を感じるほどです。
4巻で語られる、家綱の短い治世、綱吉が将軍になるまでの間の権謀術数が
黒々とした背景となり、この5巻で元禄時代として虚しく花開きます。
5巻を読んで初めて4巻を読んだ時に感じる
「肩透かし」的な描写に納得がいきます。
そしてついに綱吉によって武家の跡目相続は「女性」に限られてしまいます。
その引き金となるのが「赤穂事件」・・・・・・浅野内匠頭が、そして大石内蔵助が
女性だったならばどのような結末になっていたでしょうか。
(おそらく「松の廊下」すらなかったかも)
人口の大半が女性となり、男性は「次世代を作るための貴重な存在」
として大切にはされます。が、世の中の担い手はあくまで女性であり、
その「力」による男性性をたまさか露出させた「赤穂事件」に
庶民の女性の称賛は得られても、
「太平の世」を継続させたい側にとっては邪魔でしかありません。
知性と教養に秀で、政治的にも能力があっても、いびつな形でしか
その能力を発揮できない単なる「タネ馬」的存在に転落してしまう男性たち。
その一方で「天下を治めるべき将軍である」はずなのに、
「産む性」であるばかりに、後継ぎを作る行為に
翻弄され政治から遠去かるを得なくなる綱吉。
そのことが父親である桂昌院の口から端的に語られるところで、
綱吉と一緒に打ちのめされた気分になってしまいます。
その前場面で右衛門佐に綱吉が真情吐露しますが、
それよりも愚かな父親(男性)のセリフの方が心に残ってしまいました。
男女双方、望んで役割を交替したのではなく、
そうせざるを得なくなってしまったのですが、
庶民が現実を受け入れ、不器用ながらそれに順応していく反面、
権力を持ったが故に(あるいはたまたまその位置にいた故に)
自分の意思一つ実現できない「高貴の人々」の哀しさが
この巻にはあふれています。
最後に後の吉宗と綱吉の一度きりの邂逅が描かれていることが、
ある意味救いにすら感じます
2~3巻と違って盛り上がりに欠けるのでは、
という感想もあるでしょうが、その時代を作り上げていく過程に起こるドラマと、
出来上がったものを維持していかなくてはならなくなる時期に起こるドラマとでは
おのずと「ドラマチック度」が違って来て当然でしょう。
苦く、切ない話で終わるのもなんだかな、と思うのでここで甘い本日のおやつを。
お早目品で半額になっていた「月見大福」です。
ちょっと小ぶりですが、私はこれくらいの大きさの方が好きです。
大福を食べながらこの「大奥」が幕末まで描かれるとしたら、
11代家斉の時代はどういう展開になるんだろう・・・・・
と余計な心配をしてしまいました。(いくらなんでも40人は産めない・・・よなあ・・・)
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